温泉など、多くの日本人にとってなじみの深い檜風呂。木の香りが心地よい檜風呂の人気は衰えることがありません。その一方で、近年、日本の檜風呂の存亡が危ぶまれています。今回は、檜風呂の原材料であるヒノキ材の歴史についてお伝えします。
江戸時代から始まった大量の伐採
神社仏閣や建物の建築材として人気のあったヒノキ材は、江戸時代になると大量に伐採されるようになりました。現在の天然のヒノキ材は、江戸時代のヒノキの大量伐採で残った木の種から、自然に育ったものだといわれています。
ヒノキの大量伐採が進むなかで、木曽地方など天然ヒノキの産地では、伐採を禁止する動きも出ていきました。当時の禁伐に対する刑は、1本のヒノキ材を切っただけで死罪になるという厳しいもの。そのおかげもあり、現代でも木曽地方を中心に、樹齢の高い立派な天然のヒノキ材が残っているのです。
明治以降のヒノキの政策
明治時代以降になると再びヒノキの伐採が進み、少しずつ天然のヒノキの面積は減少しています。100年前と比較すると、日本国内の天然のヒノキの面積は3分の1にまで減っているといわれています。
戦後になると、国の林業政策の一環として人工造林が進められるようになりました。人間の手による植林は、ヒノキも対象になりましたが、その多くは木の成長が早いスギでした。また、せっかく植林したわずかなヒノキも、伊勢湾台風に代表されるにように大きな自然災害によって、多くのヒノキが倒れてしまったのです。
現代におけるヒノキ材の価値は高い
近年では、ヒノキ材の確保のために中国企業による山の買い取りも多くみられています。国内の政策に翻弄されてきたヒノキは、その希少性からますます価値が高くなっていくと考えられるでしょう。
高級木材であるヒノキは海外からも人気があり、今後さらに希少になる可能性があります。檜風呂などヒノキを使った木製製品が、一般の人にとって手の届かないものになる未来も否定できません。
自宅に檜風呂を設置するのなら、早めがおすすめ!
(有)エステックアソシエイツでは創業以来、国内におけるヒノキの造林に尽力し続けております。弊社では希少性の高いヒノキ材を用いた、檜風呂の製作も行っています。いつか自宅に檜風呂を設置したい……と考えている方は、早めに弊社までご相談ください。