回転寿司もいいですが、ちょっとリッチな食事を楽しみたいときに、人気があるのがカウンターで食べるお寿司。まだカウンターデビューをしていない人でも、「寿司下駄」といわれる木製の台の上にお寿司が乗っているのを見たことがある人も多いでしょう。実は多くの寿司下駄に使われているのが、ヒノキ材です。この記事では、寿司下駄の由来やヒノキ材が適している理由について紹介します。
寿司下駄とは?なぜ使われているの?
カウンター席の寿司屋では、お寿司が木製の台の上に乗って出てくるのが一般的です。この木製の台をよく観察してみると分かるのが、大きな下駄の形をしていること。カウンターのお寿司屋で食事をしたことのある人なら気づいた人もいるかもしれません。
その見た目から寿司屋の木製の台は「寿司下駄」と呼ばれています。また、寿司職人が使う隠語では単に「下駄」と呼ばれることも。
もともと寿司はカウンターにバランなどの葉を置き、その上に直に置かれていたのだとか。手入れの効率や湿気対策として、客席の前に寿司下駄が置かれるようになりました。
ちなみに、カウンター席のお寿司を食べるときは、寿司下駄を下ろさないのがマナーとなっています。
寿司下駄にヒノキ材が使われている理由
寿司下駄でもよく使われる木材が白木(しらき)です。白木は中心部が赤っぽく、外側が白っぽい木材のこと。自然の白さが際立つヒノキ材もまた、白木のひとつです。寿司下駄に使われる木材にはいくつかありますが、中でも高い人気を誇るのがヒノキ材です。
ヒノキ材には抗菌作用があるため、生ものを取り扱う寿司屋で需要の高い木材です。寿司カウンター一枚板や、板前さんが使うまな板やおひつの多くは、ヒノキ材であることがほとんど。これらの用品に使われるヒノキ材は、吸湿を考えた木目となっています。
昔の人はヒノキ材が日常使いにぴったりであることを、経験的に知っていたのでしょう。何より、お寿司を食べるのに、高級な木材であるヒノキは実にマッチしているといえますね。
身近な日常品に、ヒノキあり
ヒノキ材というとちょっと高級で、なかなか手が出せないと考えている人も多いでしょう。寿司下駄やおひつのように、日常生活の中にもヒノキ材を見つけることができます。特に、ヒノキ材の用品としてよく知られているのが檜風呂です。
昔からヒノキ製品が日常用品として使われていたように、ヒノキ材は扱いやすく、使い勝手のよい木材です。毎日の生活の中にヒノキ材を取り入れてみたい人は、檜風呂を検討してみるのもよいでしょう。