法隆寺を支え続けるヒノキの驚くべき耐久性

奈良県にある法隆寺は、いわずと知れた日本を代表する寺院です。607年に聖徳太子と推古天皇によって建立されました。

現在の建物は670年に落雷によって全焼した後に再建されたものというのが定説ですが、それでも8世紀初頭には大部分が完成していたといいます。

その後、解体修理を繰り返しながら、1300年以上にわたり存続しています。

この法隆寺ですが、実はヒノキで建てられていることをご存知でしたでしょうか?

720年に編纂された日本最初の正史『日本書紀』には「スギとクスノキは船、ヒノキは宮殿、マキは棺に使うべき」と書かれています。

ヒノキは古来より高級木材として宮殿の建設に使われていたことがよくわかります。

実際、法隆寺をはじめとする神社や仏閣の木材としても利用されていたのです。

なぜヒノキだったのでしょうか?

もちろん、ヒノキの高貴な香りが重要建築物に最適だということもあったのでしょう。しかし、一番の理由はやはりその「耐久性」です。

針葉樹であるヒノキには「セルロース」という分子が多量に含まれ、これが束状になって強度を高めているのです。

こうした性質のため、ヒノキは伐採されてから200年程度は強度が向上し続けます。

その後の1000年程度は徐々に細くなっていくものの、1000年以上経過しても伐採時と強度は変わらないままなのです。

世界を見渡しても、これほど耐久性と保存性が高い木材は他にないとも言われています。さらには、香りや光沢も保持し続けますから驚きです。

そのため、ヒノキで建てられた木造建築物は耐久性が高く、建造から1000年以上が経っても、当初と変わらない姿を保ち続けているのです。

一見、木材よりも強度がありそうな鉄やコンクリートの耐久性はせいぜい100年程度と言われていますから、その差は歴然でしょう。

1300年以上の歴史を持つ法隆寺だけではありません。ヒノキは日本各地の寺院の建築材として使用されています。

同じく奈良県にある国宝の薬師寺東塔の下部材には、建立当初の8世紀のヒノキがそのまま使われています。また、寺院だけでなく、国宝級の仏像などもヒノキで出来ていることが多いのです。

古来より日本の伝統文化を支えてきたヒノキ。

その耐久性によって、われわれの祖先の知性と労力の結晶である法隆寺の姿を、建造1300年以上が経った今もなお保ち続けてくれています。

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