熊野三山とは?
和歌山県の南部から三重県の南部の地域が「熊野」と呼ばれており、その地域には「熊野本宮大社」「熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)」「熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)」の3つの神社があり、3つ合わせて「熊野三山」と言います。「熊野神社」という神社は全国各地にありますが、熊野三山は、全国の熊野神社の総本宮にあたります。
熊野本宮大社に神が祀られたのは2000年前と言い伝えられており、その歴史は古いです。平安時代から鎌倉時代にかけて、熊野詣が盛んに行われていました。907年の宇多天皇以来、歴代の法皇・上皇が熊野三山を訪れました。1281年の亀山上皇以降は衰退していきましたが、江戸時代に、徳川頼宜が熊野三山の復興を手がけ、身分階級関係なく多くの人々の憧れの地となりました。
熊野本宮大社
かつては、大斎原(おおゆのはら)という熊野川・音無川・岩田川の合流点の中州に社殿がありましたが、明治22年の洪水により現在地(田辺市本宮町)に移りました。主祭神は家都御子大神です。世界遺産の入浴できる温泉湯の峰温泉「つぼ湯」があります。
熊野速玉大社
熊野川河口近くに位置している、赤塗りの社殿が特徴の神社です。速玉神(伊奘諾尊・イザナギノミコト)が主祭神となっています。樹齢千年の御神木「ナギの木」や約1,200点の国宝を保管している「神宝館」などが見どころです。
熊野那智大社
那智川南に位置している、熊野三山の中でも最も新しい神社です。熊野那智大社の別宮「飛瀧神社(ひろうじんじゃ)」は那智大滝を御神体としています。那智大滝は、日本一の落差を誇る日本三大名瀑のひとつです。
熊野三山大社で使われている檜材
熊野本宮大社境内入り口の大鳥居をくぐり抜け、奥に山道を登った先に、茶色く横に長い建物が見えます。これが熊野本宮大社の社殿です。この社殿の屋根が檜の皮でできた檜皮葺になっています。檜皮葺きの社殿は、2006年に国の重要文化財に指定されました。2017年には、貴重な文化財を後世へ残すため、社殿屋根の葺き替え作業が行われた。葺き替えにあたり、職人の手により、樹齢80年以上のヒノキから檜皮の採取が行われました。木を傷つけないように檜皮を剥ぐ作業は、まさに職人技です。
速玉大社に所蔵している国宝「彩絵檜扇(さいえひおうぎ)」は、名前の通り檜で作られた扇です。檜の薄板に、花鳥風月をあしらい、金銀箔をちらしています。
熊野那智神社にある6つの社殿(第一殿〜第六殿)の屋根はいずれも檜皮葺です。これらの社殿は、江戸時代に再建されましたが、中世以来の景観を今に伝承しています。
熊野詣を続けた、歴代の法皇・上皇も参詣される度に、地元の檜風呂で癒されたのでしょう。
タイムマシンが使えるなら、エステック アソシエイツの檜風呂を献上したいです。