お花見で有名な醍醐寺。実は、檜とも関わりがあります。
この記事では、醍醐寺と檜の関係性を紹介して参ります。
醍醐寺(だいごじ)とは
醍醐寺は、京都府京都市伏見区醍醐東大路町にある仏教寺院です。古都京都の文化財として世界遺産に登録されています。
創建は、平安時代。
聖宝理源大師が貞観16年(874)に如意輪の両観音像を安置したのに始まりました。
聖宝理源大師の来山時に、白髪の‘横尾明神’が現われて醍醐の井水を飲み「あぁ醍醐味なり」と発したのが、名前の由来と言われています。
延喜7年(907)には醍醐天皇の御願による薬師堂が建立、延長4年(926)に釈迦堂、天暦5年(951)に五重塔が建立されました。
秀吉の愛した醍醐寺
醍醐寺といえば、「醍醐の花見」も有名です。醍醐の花見は、秀吉の近親のものをはじめとした総勢1,300人もの人々で催される宴で、秀吉の一世一代の催し物とされていました。
醍醐寺と縁の深かった秀吉は、戦乱で壊滅した醍醐寺をみて、「これを復興させてここで花見がしたい」と言って、約700本もの桜を移植しました。
現在の、花を愛でながらお酒を飲んで騒ぐ、という文化は秀吉が作ったとも言われています。
醍醐寺の構造
醍醐寺は、上醍醐と下醍醐のふたつで構成されています。上醍醐と下醍醐は険しい山道で隔てられており、徒歩で1時間を要します。
下醍醐は、本尊の薬師如来像を安置する金堂、三宝院などを中心に、きらびやかな建物が数多くあります。上醍醐は、険しい山道に存在します。名前の由来となった醍醐水が湧いているのも上醍醐です。上醍醐の清滝宮拝殿は、住宅風の作りになっており、屋根は、檜でできた檜皮葺(ひわだぶき)の入母屋造です。上醍醐に現存する最古の建造物である薬師堂の屋根も檜皮葺となっています。
檜皮葺(ひわだぶき)とは
上醍醐の屋根に用いられている檜皮葺とはどういうものなのでしょうか。檜皮葺とは、読んで字のごとく檜の樹皮を用いて屋根に葺く、日本独自の伝統的屋根工法です。樹齢70年以上の充分な樹径のある立ち木から剥いた皮を使います。日本では、多くの文化財で檜皮葺の屋根が用いられており、有名なところですと、出雲大社や清水寺も檜皮葺です。
檜皮葺が完成するまでは、大きく3つのステップがあります。①檜から檜皮をとる。②檜皮を整形する。③皮を屋根に葺く。
檜皮葺には竹釘が使われるのですが、平葺屋根で1坪(3.3㎡)あたり、2,400〜3,000本という膨大な量が必要となります。
伝統的な建物の屋根にも使われている檜。
私たちエステックアソシエイツは、檜風呂という伝統文化を次世代に着実に受け継いで参ります。